【イリオモテヤマネコ事故件数】年々、増加傾向にあります
こんにちは。石垣島ナビです。
本記事では、
「イリオモテヤマネコの事故はどれくらいあるの?」
「イリオモテヤマネコの数は大丈夫なの?」って質問にお答えします。
本記事を読むと、
POINT・イリオモテヤマネコの事故件数がわかる
・イリオモテヤマネコの数の傾向がわかる
について、知ることができます。
西表島に5年間住んでいた、カヌーガイドが紹介する「西表島のガイド目線の情報」です。
イリオモテヤマネコを知って、さらに西表島観光を楽しんでください!
目次
【イリオモテヤマネコ事故件数】年々、増加傾向にあります
出典元:環境省 西表野生動物保護センター(http://iwcc.a.la9.jp)
イリオモテヤマネコの事故件数は1978年から環境省によって調査されています。
グラフを見るとわかるように、イリオモテヤマネコの交通事故は年々増加傾向にあります。
一番影響が大きいと言われているのが、2013年の新石垣空港の開港だと言われています。
2013年以降、軒並みイリオモテヤマネコの交通事故件数が増えてきているのは事実です。
ただ、観光客のドライバーだけでなく、観光客を送り迎えする観光事業者の数も増えてきています。また、島人が車を使う傾向も多いので、一概に観光客の増加だけが原因とは言いにくそうです。
2019年は、11月末までで3件の事故が発生しています。
イリオモテヤマネコの交通事故件数は2018年までで【合計88件】
1978年から2018年までのイリオモテヤマネコの事故件数を合計すると88件になります。
そのうちの9割以上がヤマネコが亡くなってしまった事故です。怪我をするだけじゃなく、亡くなる個体が多いのもイリオモテヤマネコの交通事故の特徴です。
人の交通事故は3,000日以上ないので、西表島では、ヤマネコが轢かれる確率の方が高いです。
イリオモテヤマネコの交通事故【1年で最大9件】
1年間で事故件数が最大だった年は、2018年で9件。
1年間で9頭ものヤマネコが轢かれてしまいました。
イリオモテヤマネコは西表島に100頭前後しかいないので、約1割ほどのヤマネコが轢かれてしまったことになります。
西表島では、行政も含め、ヤマネコの事故防止に対策をたててきていますが、なかなか減らないようです。
イリオモテヤマネコの交通事故は増えてきている
イリオモテヤマネコの事故傾向を見てみると、やはり増加傾向にあるようです。
R2が0.356と低いので一概には言えませんが、グラフの傾向を見ても、増えているのは明らかだと思います。
このままの件数で事故が起こると、平均で1年に4件程度の事故が起こると予測されます。
イリオモテヤマネコの交通事故の傾向
イリオモテヤマネコの事故の傾向は「増加傾向」にありますが、さらに詳しく見ていくと、事故にあったヤマネコのうち、幼獣(イリオモテヤマネコの子供)の数が増えていることがわかりました。
昔は、大人の個体が轢かれていたんですが、最近は子供も轢かれるようになってしまいました。
子供が轢かれるということは、イリオモテヤマネコの世界でも段々と「少子高齢化」が進んでいるように感じます。
さらに近年では、お腹に赤ちゃんを宿した若い母ヤマネコ(推定1歳〜2歳)が轢かれて亡くなってしまったケースもあります。
若いメスヤマネコでも子供を宿すという発見があったとともに、大切な命が失われてしまいました。
幼獣(イリオモテヤマネコの子供)の事故傾向も増加傾向にあります。
イリオモテヤマネコの子供は、好奇心が強く、まだ危険を判断できません。「あれ、なんだろう!?」って興味本位で車に近づいてきてしまうこともあります。
上原の集落では、道路でじゃれあって遊んでいる子ネコが目撃されるなど、思った以上に人の生活圏の近くまで出てきているようです。
近年は、猛暑と呼ばれるような、気温が高い日もあり、ヤマネコが民家の庭で脱水症状を起こし、保護されたなどの話も町内放送で流れていました。
野生のヤマネコでも脱水症状を起こすほどの暑さ。
車の数だけでなく、自然環境の変化もイリオモテヤマネコの生活に大きな影響を与えているようです。
イリオモテヤマネコの頭数の推移
とは言え、事故件数が増えてきていることは事実です。
イリオモテヤマネコの頭数は、100頭前後。環境省が発表している頭数は、2008年の段階で、「100頭前後で減少傾向」としています。
年間4件づつ事故にあった場合、ただでさえ少ない頭数なのに、最低でも4%づつ減少していくことになります。
10年で40頭、20年で80頭少なくなる計算になってしまします。
野生動物が群れを構成する最小単位が100頭前後と言われているので、交通事故が減ってもそのまま、自然消滅なんてことにもなりかねないのが現状です。
事故が起こりやすい場所は、環境省の西表野生動物保護センターで告知しているので、レンタカーを借りる人は、あらかじめ知っておいて、運転を注意してください!
環境省が「減少傾向」というのは、メスのヤマネコの交通事故が増えているからという理由もあります。
イリオモテヤマネコのメスは縄張りがあり、他のメスの縄張りには近づきません。もともといたメスが亡くなっても、「あそこは、〇〇さんの縄張りだから…」と近づきにくいという傾向があるようです。
新しいメスが縄張りに入って縄張りを維持してくれた方が、効率がいいんですが、そう簡単にはいかない事情がヤマネコにもあるようです。
野生なんですが、人間のように社会ができているのではないかと考えさせられる事例です。
イリオモテヤマネコに関しては、こちらの記事を読むと、さらに詳しくなれますよ!
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それじゃあ、楽しく旅してね!
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