沖縄には花粉が少ないって本当?花粉症の症状が出にくい理由
こんにちは。石垣島ナビです。
『沖縄には花粉症がない』と噂されているのをご存知でしょうか?
花粉症に悩まされている人には、嬉しいお知らせ!
「でも、それって本当?」って、疑っちゃいますよね?
「沖縄には花粉が飛んでないの?」
「沖縄で花粉症は発症しないの?」
「花粉症が発症しない理由は?」って疑問に、お答えします。
本記事を読むと、
・沖縄の花粉がわかる
・沖縄で花粉症が発症しにくい理由がわかる
・沖縄での花粉症対策がわかる
石垣島と西表島に5年以上住んでいる、現地ガイドが紹介する「沖縄の生の情報」です。
記事を読んで、「沖縄の花粉」に詳しくなって、快適に旅行を楽しんでください!
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目次
沖縄には花粉が少ないって本当?花粉症の症状が出にくい理由
本州で花粉症に悩まされている人も、『沖縄に旅行に行くと花粉症の症状が出ない』って話はよく聞きます。
自分もネイチャーガイドの仕事をしていた時、
お客さんが「花粉症、治った!」「鼻水出ないの最高っ!」って言っていたのを覚えています。
森林に入って遊ぶツアーなのに、花粉症が発症しない。
その理由は、
・沖縄にはスギが少ない
・沖縄の森林は、本州の森林と違う
・沖縄にある花粉は種類が違う
この3つの理由によって、花粉症の症状が出にくいと考えられます。
具体的に説明すると、沖縄では林業がさほど盛んではありません。
なので、植林している場所が少ない。
沖縄島で植林地の面積は島の面積の1.5%、一番割合が多い慶良間諸島でも2%。
石垣島周辺の八重山諸島では、植林地は0%
沖縄の森林は、木材を作って売るという目的ではなく、水源の確保・維持を目的としています。
水の確保のために森林が整備されているんです。
なので、『スギ』などの花粉症の原因になる木を植えることは少ない。
もともと生えていた『エゾマツ・トドマツ』や『ブナ』などの植物、2次林に見られる『シイ・カシ』などの木が多いです。
沖縄の花粉の種類は『イネ科』や『ブタクサ』の花粉。
本州で花粉症の原因となる『スギ花粉』は少ないです。
そういうわけで、沖縄で花粉症が発症しにくくなっています。
イネ科のアレルギー持ちが沖縄に移住するとこうなる
自分自身も、アレルギー体質で『カニ』と『イネ科の花粉』アレルギーを持っていますが、沖縄で発症したことはありません。
本州にいる頃は、花粉症の時期になると、目がムズムズして痒くなったものです。
ですが、沖縄に移住してからは、花粉症、アレルギーとは無縁の生活になりました。
自分が住んだ「石垣島」や「西表島」は特に、天然の自然が多い島だったので、体質改善がされたのかもしれません。
環境だけが一因とは言えませんが、沖縄の「環境」、「食生活」はアレルギー体質の人には優しいものなのかもしれませんね。
ここからは、『沖縄の花粉』について、さらに詳しく紹介していきます!
沖縄に花粉はないのか?
結論から言うと、沖縄にも『花粉』はあります。
とは言っても、『スギ』などの針葉樹は少ない地域。
沖縄の森林には『広葉樹』が多いのが特徴です。
厚生労働省の調査によると、
花粉症の約70%はスギ花粉症だと推察されます。
これは日本の国土に占めるスギ林の面積が大きく、全国の森林の18%、国土の12%を占めているためでもあります。
北海道にはスギ花粉飛散は極めて少なく、沖縄にはスギが全く生息しません。
関東・東海地方では、スギ花粉症の患者さんが多く見られます。
ヒノキ科花粉による花粉症も見られますが、よりスギの人工林が多いのでスギ花粉が多く飛散します。
引用元:花粉症の原因 – 厚生労働省
と言う報告があります。
簡単に言うと、
・花粉症の原因の70%は『スギ花粉』
・北海道・沖縄には『スギ花粉』が少ない
・『ヒノキ花粉』も原因になる
どうやら、花粉症が発症する原因は「スギ」と「ヒノキ」の花粉の影響が大きいようです。
沖縄にある花粉は『イネ科』
沖縄にある花粉は、
・イネ科
・ブタクサ(キク科)
・モクマオウ
・マツ
この4種類が多いと言われています。
『イネ科』は、沖縄でもお米を作っているので「稲」「ススキ」などの花粉。
『ブタクサ』は、牛を飼う牧場などに多く生えています。
『モクマオウ・マツ』は防風林として海岸沿いに植えられています。
沖縄で花粉が飛びにくい理由
沖縄には、花粉がないわけではないことはわかったと思います。
さらに言うと、沖縄は『環境的にも花粉が飛びにくい』と感じます。
それは、
・沖縄にはスギが少ないから
・沖縄の森林は目的が違うから
・沖縄は湿度が高いから
沖縄にはスギが少ない
沖縄で花粉が飛びにくいのは『スギが少ない』のが一つの理由です。
花粉を飛ばす木の数が少ないから。
スギやヒノキなどの針葉樹は花粉を飛ばしやすい木です。
林野庁さんの発表によると、
スギは風によって花粉を運ぶ植物であり、風媒花といわれます。
このため、風に乗って遠くまで花粉が運ばれます。
花粉の飛散時期は、地域により前後しますが、主に2月から4月にかけてです。
〜中略〜
スギ花粉を放出する雄花は、7月頃から形成され始め、11月頃には雄花の中の花粉が成熟します。
その後、気温の低下や昼の時間が短くなることにより雄花は休眠状態に入りますが、冬の寒さに一定期間さらされることで覚醒し、花粉の飛散に向けた準備を始めます。
花粉の飛散開始時期は、覚醒した後に暖かい日が続くと早まり、寒い日が続くと遅くなります。
簡単に言うと、
・スギは花粉を遠くに飛ばす
・気温が下がった後に、暖かくなると花粉を飛ばす
花粉が多くなる原因は「植物の種類」「気温」に関係していることがわかります。
沖縄の森林は目的が違う
沖縄の森林は、『スギ』が極端に少ないです。
どれくらい植えられているのかを調べたんですが、正確な数字はわかりませんでした。
厚生労働省さんの記事によると、
沖縄にはスギが全く生息しません。
引用元:花粉症の原因 – 厚生労働省」
との表記もあるので、全くないか、限りなく数が少ないことがわかります。
理由は、森林維持の目的が違うからです。
具合的に説明すると、沖縄の森林は「水源かん養保安林(すいげんかんようほあんりん)」としての利用が多いです。
「水源かん養保安林」とは、簡単に言うと、『水を確保するための森林』。
山に森林を維持することで、山の保水力を高め、水源を維持する目的があります。
沖縄の保安林の75.5%は「水源かん養保安林」、12.2%は「塩害防備保安林」として利用されてます
(引用元:沖縄の森林・林業:沖縄県農林水産部森林管理課)
沖縄は本州に比べると、『水の確保』が難しい地域です。
ダムなどを作って水を貯めることもありますが、昔は、森林を上手に使って水を枯れさせないようにしていました。
『生活用水』『飲み水』は欠かせないものなので、森林や林業をするのも『水の確保』が一番の目的。
木を売るための林業ではなく、目的が違うのも『スギ』が少ない理由です。
沖縄は『湿度』が高い
湿度が高く、西表島では年間平均70%もの湿度があります。
花粉を飛ばすには、「乾燥した空気」「気温の温度差」が重要な要因です。
スギは風によって花粉を運ぶ植物であり、風媒花といわれます。
このため、風に乗って遠くまで花粉が運ばれます。
〜中略〜
スギ花粉の大きさは30μmで、形状は円形で先端にパピラと呼ばれる突起があります。
また、水を含むと花粉は膨張して外壁が割れ、内容物は分解して放出されます。
花粉は、水を含むと、割れてしまうという特徴があります。
ジメッとしていて、雨が多いと、遠くへ花粉が飛ぶ前に割れてしまう。
なので、沖縄は花粉を遠くに飛ばしにくい環境だとも言えます。
沖縄の植物は花粉や種を遠くに飛ばすために『風』だけではなく『動物』も利用しています。
それも、湿度が高い沖縄ならではの戦略とも言えます。
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【まとめ】沖縄での花粉症対策
沖縄で花粉症が発症しにくい理由をまとめると、
・スギ花粉が少ない
・花粉はイネ科が多い
花粉症の原因の7割を占める『スギ花粉』が少ないので、沖縄で花粉症も発症しにくいです。
また、湿度が高いので、雨が降りやすく、花粉も遠くまで飛ばす前に割れてしまっている可能性もあります。
花粉症になるとしたら、『イネ科』のアレルギーがある人は気をつけた方がいいかもしれません。
沖縄には『スギ花粉』が少ない
沖縄では林業は『水の確保』『塩害を減らす』を目的としています。
木材を売るためではないので、スギはほとんど植えられていません。
沖縄の花粉症は『イネ科』のアレルギー
沖縄の花粉は、
・水田地帯の「イネ科」
・牧場地帯の「ブタクサ」
・防風林の「マツ・モクマオウ」
が中心です。
特に気をつけなければならないのが『イネ科の花粉』。
とは言っても、稲作地帯は少ないので、生活、観光にはほとんど影響がありません。
具体的には、自分は「イネ科の花粉」アレルギーです。
子供の頃から稲刈りの手伝いをしてきたので、中学生で発症。
以降、イネ科の花粉が飛ぶ時期には、全身じんましんに悩まされていました。
ですが、沖縄へ移住した後は、じんましんが出ることなく、快適に過ごせています。
環境がいいのか、食べ物がいいのかはわかりませんが、アレルギーの発症は1回もないです。
なので、イネ科アレルギーの人でも「田んぼに直接入って、イネに触る」ことをしなければ大丈夫。
個人的には、沖縄では「飛んできた花粉」でじんましんが出たことはありません。
沖縄での花粉症対策
基本的には、対策なしで大丈夫です。
しいて言うなら、
・水田地帯に近づかない
・睡眠はしっかりとる
・食事に「マルチビタミン」を追加する
イネ科のアレルギーがひどい人は、稲作地帯に近づかないことをおすすめします。
石垣島や沖縄本島では、市街地には稲作地帯はほとんどありません。
郊外に出るときに気をつけましょう!
また、飛行機で移動して疲れているので、睡眠はしっかりとること。
睡眠不足だと、体のバランスが崩れ、花粉症、アレルギーが出やすいです。
睡眠をしっかりとって、美味しい食事をとること。
沖縄の食事はビタミン不足になりやすいので、「マルチビタミン」などの簡単なサプリをとるのがおすすめです。
沖縄を旅行すると、花粉症の症状が出にくい理由は、沖縄の環境によるものが大きいのかもしれませんね!
それじゃあ、楽しく旅してね!
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