【唐人墓】東洋と西洋の歴史を考えさせられる場所
こんにちは。石垣島ナビです。
中国の方の慰霊碑が唐人墓です。石垣島の新川に建てられた墓で、海が望める場所に建てられています。石垣島になぜ、中国の方の墓があるのか。
それは、歴史の中の大事件に関係しているのです。その事件と言うのは…
スポンサーリンク
唐人墓
唐人墓の由来
唐人墓は石垣島にある中国の方のお墓です。
昔、米国人が労働力(苦力:くーりー)として中国人をカリフォルニアに送ろうとした際に反撃に会い、中国人が船を奪還したことがありました。奪還後、台湾に戻ろうとするんですが石垣島沖で船が座礁。
「なんか、船が座礁してるぞ」と、石垣島の人が、船に乗っていた人たちを救出します。その後、石垣島の島民が小屋を建てるなどして一緒に生活していたんですが、米英人の襲撃に会い、亡くなったという歴史がある場所です。
琉球王朝も生き残った方々に食料を提供したり、中国への護送をした歴史があります。
この事件をきっかけに中国では労働力としての苦力貿易反対が起こっていきました。石垣島では命を落とされた中国の方の魂を慰霊するために、唐人墓が作られました。
労働力としての人間
現代とは違い、昔は労働力として人間を送ったりしていた歴史。黒人の労働者だけでなく、東洋人もその労働力として使われていました。そんなこと、今の世の中では考えられないことですが、それが当たり前だった時代があったことも決して忘れてはならない歴史です。
そんな不条理にあがらったからこそ、今がある。
海を眺める場所に建てられた碑
慰霊碑に参った後に、振り返りってみると、そこには綺麗な海の景色が広がっています。
この海の遠く遠くには、中国の地がある。唐人墓の碑は、生まれた土地を眺めれる場所に建てられたお墓なんです。悲しい歴史が横たわる場所ですが、「こんな綺麗な景色を眺めれる場所に建てたことで、少しでも魂を慰めれられてるのかな?」と思える景色です。
唐人墓の周辺には中国の庭にあるような小さなあずまやがあります。そのあずまやに腰をかけて眺める海は綺麗でありながら、物悲しい色にも見えます。三国志の時代のように、人が血気盛んに生きた時代。命を燃やすという表現がぴったりな生き方をしていた時代が目の前に広がるようです。
生きるということが、現代よりも生々しいものだった時代も過去にはあるんだなと感じます。今でも、地球上のどこかではそんな生き方をしている人々がいる。でも、私たちはそんな生き方をしなくても普通に生きれる。生きるってことが権利で守られ、当たり前だと信じ込んでいる。
そんな平和な国にいることが、とても有り難いことなんだなと感じられる場所です。ぼけーっと生きるのではなく、与えられた命を十二分に使って生きる。そんな生き方をしなくてはならないなと感じます。
近くには唐人墓と同じく、海の見晴らしのいい場所「観音崎」もあるので、観音崎からの眺めも同時に楽しんでください。観音崎は夕日を綺麗に見れるスポットとしても人気の場所です。
関連記事>>>【観音崎】石垣島の観音崎は夕日が手軽に見れる場所
スポンサーリンク
中国らしい装飾
唐人墓自体は豪華な装飾で飾られています。いかにも中国らしい煌びやかな装飾。沖縄は中国文化の影響が強いので、極彩色の煌びやかな色使いが多いです。そんな沖縄でも唐人墓は最もといってもいいほど、煌びやかです。
昔は宇治にある平等院鳳凰堂も、このような極彩色の建物だったということがわかっています。戦国や戦争の世の中に求められていたのは、極楽浄土のような平和な世界なのではないでしょうか。中国の歴史を紐解いても戦が絶えない歴史です。
心の拠り所になるのが、このような建物だったのかもしれません。
歴史を考える場所
現代では、戦いが常だった時代に比べると、平和な時代といっていいと思います。平和な時代の人間から見ると派手だなと思う装飾も、魂を慰めるためだったり、不安を消すためだったりだと考えると納得できます。
原色は心を元気にしてくれるという科学的なデータもあるので、生きる活力になっていたのかもしれませんね。人は昔から変わらず、少なからず心に不安をかかて生きています。
戦いによって直接命を落とすという事態は減りましたが、生きる時間が長くなったからこそ抱える悩みが増えてきたのも事実です。
忘れ去られた暗い歴史を無かったことにしてはならない。そういう思いが唐人墓に込められているのかもしれません。唐人墓を見ると、明日の自分の生き方を考えるキッカケになる体験にもなります。
沖縄で文化というと、舞踊や音楽などの芸能のことをいいますが、こういった歴史の史実も文化のひとつです。このような歴史を語り継ぐことが文化の継承になっていくはずです。歴史の史実から今まで、これからのことを考えていくことにもなる場所。
そんな場所に立ち、「今日は精一杯生きた!」「明日はどんなことをして生きようか?」「来週は?来年は?」なんて未来に思いを馳せて見るのも楽しいかもしれませんね。
唐人墓のあずまやに座って、ゆっくりとお茶を飲み、明日の人生を考えてみてください。
それじゃあ、楽しく旅してね!
【アクセス】石垣島離島ターミナルから約6.1km
【路線バス】系統⑨川平リゾート線「唐人墓」下車、徒歩1分
【おすすめの時期】通年
【みどころ】煌びやかな慰霊碑と海を眺めるあずまや
【滞在時間】約30分
【おすすめ度】★★☆☆☆
スポンサーリンク