白保の「オーセ」は種子取祭の会場となる御嶽
こんにちは。石垣島ナビです。
石垣島の白保には6つの御嶽があります。その中でも「オーセ」は火の神を祀る御嶽で、旧暦11月の種子取祭の会場にもなる御嶽です。
今回は、「オーセ」について紹介します。
スポンサーリンク
オーセ
旧役所跡
オーセは、旧役所跡の建物です。昔は人頭税という人の数による税金がありました。その税金を払う場所がオーセです。役所(番所)の跡地で、現在では、火の神が祀られており、旧暦11月に行われる種子取祭の会場にもなっている場所です。
基本、地域の御嶽なので、中に入ることはご遠慮ください。
神様が祀られている場所のなので、住民により掃き清められている場所です。
オーセに通じる道は「ンマガミチ」と呼ばれる道です。種子取祭の時には、稲種に悪い虫がつかないようにと祈願し、国道からオーセまでの道を、朝早く、怖い面をかぶった人と馬が駆け抜けます。
「馬が道(うまがみち)」なので「ンマガミチ」。
ンマガミチの先、オーセの目の前には「しらほサンゴ村」があります。白保地区のサンゴの資料展示や、漁具の展示。住民によるサンゴ礁のモニタリング結果などが展示されている施設です。
WWFのサンゴ礁保護研究センターもあり、日曜には「白保日曜市」で賑わう場所です。毎週日曜日の午前中に開催される朝市で、島内の人も足しげく通う市場です。
種子取祭の会場
オーセは、普段は御嶽と同じように管理された場所で、人の出入りなどはない場所です。火の神様(ヒヌカンサァ)などを祀る場所になっているので、白保の人たちにとての聖域です。
旧暦の11月には、種子取祭(たねどりさい)という行事が行われます。種子取祭は、稲の苗が無事に成長することを祈る行事です。神様にお祈りする行事なので、ツカサ(司)と呼ばれる巫女と、白保の人々がオーセで祈願します。
豊作になるようにとお祈りする行事です。
種子取祭は「タナンドゥイ」とも呼ばれ、石垣島周辺では「竹富島の種子取祭」が最も有名です。竹富島の種子取祭は旧暦の9月〜10月に行われるので、白保の種子取祭より早い。
種子をまき始める時に成長を願う行事で、豊作祈願という意味では同じ意味の行事です。竹富島の種子取祭は夜を通して行われるなど、大規模な行事。
石垣島を含め、周辺の離島で行われる豊作祈願の行事です。
ンマガミチから通じている
白保の種子取祭の特徴は、稲の苗が無事に田んぼに根付くように、苗に悪い虫がつかないようにと「馬」を走らせるのが特徴。
「馬の道」という意味の「うまがみち」→「ンマガミチ」を仮面を被った乗り手が馬に乗って、馬を走らせます。
この邪気払いの意味を込めた行事を「カタバリ」と呼びます。カタバリが行われる道なので「ンマガミチ」は別名<カタバル道>とも呼ばれます。
スポンサーリンク
しらほサンゴ村の前
国道からオーセまでの道を「ンマガミチ」と呼んで、馬を走らせるわけですが、終点のオーセの前には「しらほサンゴ村」があります。
しらほサンゴ村は、WWFの研究施設「サンゴ礁保護研究センター」が併設されている建物です。建物内部では石垣島のサンゴ礁に関する資料や、白保住民による日常のサンゴモニタリング結果などが展示されています。
白保地区は、波照間島からの移住者によって作られた集落です。海人(うみんちゅ)と呼ばれる漁師さんが数多く生活している場所。そんな海人の集落ならではの漁師道具や、サバニ(木製の船)の模型、白保で行われていた漁の様子などを伝えてくれる施設でもあります。
漁具に実際に触れることもできるので、サンゴについてや、漁について知れる場所です。
関連記事>>>『しらほサンゴ村』で、サンゴの勉強をしよう!
毎週日曜日の午前中には朝市も開かれており、白保の人が作った料理や民具なども買うことができます。白保を訪れる際は、日曜市の時間を狙って訪れてみてください!
2017年に建て替えられた
白保の御嶽「オーセ」は2017年に建て替えられた新しい建物です。石垣島などの離島では、公民館や御嶽が定期的に建て替えられたりもします。御嶽自体の歴史は古いんですが、建物が新しい。
公民館の建て替えなどでは、市や町による補助金が使われたりもしますが、基本は住民の寄付金で作られている建物です。昔から、公共の建物などは、住んでいる地域の人たちで建て替えられてきた歴史もあります。
みんなで、出し合って建てた建物なので、地域の財産として扱われます。
それだけ、御嶽という存在が、地域の人たちにとって大事なものだということが、よくわかります。
オーセを訪れる際は、鳥居から内側へは入らず、外からお参りしてください。
まとめ
石垣島の白保地区にある「オーセ」は、旧役所(番所)があった場所で、番所が無くなってからは「火の神」などを祀った御嶽(うたき)となりました。
白保の神様が祀られた神聖な場所です。
旧暦の11月になると「種子取祭」が行われ、オーセ前の「ンマガミチ」で馬を駆けさせて稲の無事の成長を祈ります。
目の前にある「しらほサンゴ村」では、サンゴの資料を見れる他に「白保日曜市」が開催されているので、ぜひ、行ってみてください。
なお、「オーセ」は神聖な場所ですので、立ち入りはご遠慮ください。
それじゃあ、楽しく旅してね!
【アクセス】離島ターミナルから約11.5km
【おすすめの時期】通年
【滞在時間】約30分
【おすすめ度】★☆☆☆☆
スポンサーリンク