サガリバナとは?
こんにちは。石垣島ナビです。
石垣島をはじめとした、沖縄では「サガリバナ」という植物が花を咲かせます。南方特有の植物で、いっせいに花を咲かせた景色は幻想的としか言い表せないほどの光景です。
今回は「サガリバナ」について紹介していきます。
目次
サガリバナ
サガリバナとは
サガリバナ科の常緑高木です。日本では奄美諸島以南に分布する植物で、マングローブ林の近くのような湿地帯を好みます。
東南アジアにも分布し、熱帯、亜熱帯気候で育つ植物です。花は総状花序で、横向きに雄しべ、雌しべを伸ばします。場所によってばらつきはありますが、6月〜8月にかけて花を咲かせます。
花が咲く時間帯は夜9時以降。徐々につぼみが開き、雄しべを伸ばしてくるのが特徴です。
明け方になると、花が散り、雄しべがそのまま落ちる。散った雄しべが水面に浮かぶ様子は幻想的です。
9月〜10月ごろになると、雌しべの基部が膨らみ、実をつけます。実は立方体のような形をしており、落実。水面に浮かびながら流れ着いた先で芽を出します。実は「紙風船」「ハコフグ」のような形をしています。
サガリバナの特徴
サガリバナの一番の特徴といえば、「花の形」です。周りにふわふわと伸びているのは雄しべで、雌しべの周りを雄しべがリング状にぐるっと囲んでいます。
雄しべの根元についているのが花びらで、写真では白い手裏剣のように写っています。
花びら、雄しべは「白」「ピンク」「紅」の3色あります。木によって花の色が違い、「白」色が一般的によく見られる色です。
紅色はなかなかないので、見つけたらラッキーですね。
花の形状
花は総状花序で上からぶら下がっています。花の後ろに見えるブドウのような球体がつぼみです。つぼみが徐々に膨らみ、1cmぐらいの大きさになると咲きごろとなります。
つぼみが割れ始めると、花びらの色がはっきりとわかります。
夜に咲いて朝に散る花
サガリバナは、花が咲き始める時間帯が決まっています。膨らみきったつぼみは夜9時ごろから割れ始め、徐々に雄しべを伸ばしていきます。だいたい1時間ほどで、伸びきり写真のような花を咲かせます。
夜の間は咲き続けているのですが、翌朝、明け方になると花が散り始めます。
「夜に咲いて、朝には散ってしまう花」として有名なサガリバナ。美しい姿を見るなら夜に観に行くことをおすすめします。
花は散る時は、雌しべから、花びらと雄しべがスポッと抜けるようにして散ります。抜け落ちた雄しべは地面に落ち、森に住むカニの餌となったり、土にかえり、森の栄養となったりして、自然を潤します。
いっせいに花を咲かせる
夜になると、いっせいに花を咲かせるのもサガリバナの特徴です。いっせいに咲くので、朝いっせいに散ります。
散って地面や、水面に浮かぶ光景は圧巻です。
サガリバナ自体、湿地帯や川沿いの水分が多い場所を好む植物です。川の上流に咲いていたりすると、川一面にサガリバナの花で埋め尽くされることもあるぐらいです。
カヤックやSUPを使って水面に浮かんだ満開なサガリバナを観に行くツアーも人気のツアーです。
散った後の光景
散った後は、花びらと雄しべがまとまって地面に落ちます。湿地帯に生えていることが多いので、水面に落ちることも多い花です。
散っても、雄しべに張りがあるので、フワフワとした形で浮かんでいます。
6月ごろから咲き始めるので、夏の午前中に川遊びをしていると、上流から流れてくることもあります。フワフワと川面を漂う光景はなんとも幻想的です。
カヤックやSUPなどのアクティビティに参加する時は、水面に「白いフワフワの花」が落ちてないかも、観察して見てください。
サガリバナの咲く時期
サガリバナが花を咲かす時期は平年でいうと6月〜8月ごろです。年度にもよりますが6月、7月がピーク。9月頃まで見られる年もありますが、だいたい梅雨明け(6月20日前後)から7月末までが一般的なピークです。
2016年、2017年は台風の襲来が少なかったことや暖冬などの気象条件の影響なのか、花がいっせいに咲かずにまばらに咲く木も見られました。ここ数年の気候変動により、サガリバナの咲き方も影響を受けています。
2018年には12月に満開を迎える木もあり、サガリバナ開花の様子も少しづつ変化してきています。2018年以前も12月に一部の花を咲かせることはありましたが、2018年の冬は特に顕著でした。
少なからず、地球温暖化の影響を受けているのかもしれませんね。
サガリバナを見る
サガリバナですが、川の上流、森の中、湿地帯に行かなければ見れない植物ではありません。実は、石垣島では民家の近くにサガリバナの木が生えていたりもするので、身近に見れる植物でもあります。
でも、満開のサガリバナ、「たくさんの花びらを見たい!」って時は、サガリバナの木がたくさん生えているスポットに観に行くのが一番です。
石垣島でサガリバナを見るのに適した場所、ツアーを紹介していきます。
石垣島のサガリバナスポット
石垣島で、サガリバナを見ることができる一番有名なスポットが「平久保のサガリバナ群落」です。石垣島の北部にある「平久保(ひらくぼ)」という地名の場所にサガリバナの群落があります。
2016年4月15日に、世界自然遺産を目指している「西表島」での国立公園の拡張に伴い、石垣島の「平久保のサガリバナ群落」も国立公園の追加指定を受けています。
サガリバナ群落(久宇良地区)は「第1種特別地域」、平久保地区は「第3種特別地域」に指定。
平久保のサガリバナ群落は2005年に発見された群落です。平久保に住む米盛三千弘さんが畑近くの森から1本のサガリバナ古木を見つけたのが始まり。さらに森に分け入ってみると300本近いサガリバナ群落がありました。
発見した米盛さんは、以降、ゴミを撤去したり、雑草を刈ったり、枝葉の手入れをして保全活動をされています。
2011年には「平久保サガリバナ保存会」を発足し、「鑑賞コース」「サガリバナを楽しむための心得」「植樹名札プレート」など、手作りの看板標識を作って、花の手入れや環境整備にも尽力してくれています。
以前は米盛さんがガイドを務める観察会も行われていたんですが、近年は花の咲き方が一斉ではないため、大勢を招いての観察会は行われておりません。
現在では、植樹活動を始め、平久保の人たちが守ってくれているサガリバナ群落。歩道が整備され、足元を照らすブルーライトも点灯しているので、レンタカーで開花を観に行くこともできます。
観に行く場合は、マナーにだけは守って、美しいサガリバナを楽しんでください。
平久保サガリバナ群落近くの宿
平久保サガリバナ群落まで歩いていける距離のお宿があります。平久保に宿泊して夜に咲いているサガリバナを、朝に散ったサガリバナの光景を見て楽しむことができるので、近くのお宿に泊まるのもおすすめの楽しみ方です。
Seven Colors 石垣島
沖縄県石垣市平久保 平久保226-523
0980-84-5107
サガリバナを見るツアー
平久保のサガリバナ群落以外にもサガリバナを見るツアーがあります。
石垣島の宮良川では、カヤックに乗ってサガリバナを見に行く早朝ツアーも開催されています。
期間限定、人数限定(1グループ6人まで)のツアーですが、カヤックに乗って見るサガリバナは陸で見るのとは、視点が違うので、別な楽しみができるツアーです。
詳しくは『(有)石垣島観光』さんのホームページからアクセスして見てください!
サガリバナの木の特徴
「平久保まで足を運んだり、カヤックに乗るまでしたくないな」って人は、散歩がてら、宿の近くの森や、木をチェックしてみてください。
サガリバナは「花」が特徴なんですが、実は、「木」にも特徴があります。
結構、見分けやすい木なんです。
葉っぱに注目
サガリバナの木を見分ける特徴は「葉っぱ」に注目してみてください。他の木の葉っぱと比べて大きいのが特徴です。
慣れないと見分けられないかもしれませんが、「葉っぱが大きい」って特徴を覚えておくと、探すのが簡単になります。目が慣れてくると、「ココにもある、アソコにもある!」なんてよくわかってくるようになります。
上の写真はバンナ公園で見つけたサガリバナです。写真左手前の木が「サガリバナ」。大きな葉っぱを目印に探して見てください。
「自分で見つける」、「お子さんと一緒に探検して見つける」って楽しみかたもできるので、ぜひ、サガリバナのことを知って、見て、癒されてくださいね!
それじゃあ、楽しく旅してね!
【おすすめの時期】6月、7月(年度によっては12月に咲く場合あり)
【みどころ】夜にしか咲かない花、幻想的な景色
【滞在時間】約1時間
【おすすめ度】★★★★★
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