沖縄での豚肉部位の名前
こんにちは。石垣島ナビです。
沖縄では豚肉を食べる習慣があります。沖縄本島では豚を丸々一頭使って料理をするほど愛されている食べ物。「豚は捨てるところがない」と言われるぐらい、いろんな部位を食べることで知られています。
沖縄での豚の部位の呼び方は本州と違うので、なかなか覚えづらい。「テビチーってなんだっけ?」「ソーキってなに?」ってことになりやすいです。
今回は、豚の図を使って部位別に紹介していきます。
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沖縄での豚肉部位の名前
沖縄では豚肉の部位を沖縄方言を使って呼ぶことが多いです。「チラガー」「テビチ」「ハラガー」など、一度聞いただけでは、どこかわからないような名前、「これ、本当に豚肉の名前なの?」って名前がついています。
それぞれについて、詳しく説明していきます。
豚の「頭・首・肩」の名前
1、頭
頭は「顔のチラガー」と「耳のミミガー」に分かれます。コリコリとした食感が特徴の部位です。
チラガー
面の皮(つらのかわ)とも言われる、頭全体の皮を「チラガー」と言います。市場などでは、豚の顔がそのまま売られているので、ビックリすることも。
コラーゲンが豊富に含まれており、コリコリとした歯ごたえが特徴です。味付けをして薄く切って食べることが多い部位です。
ミミガー
顔の中でも<耳>は別に「ミミガー」と呼ばれます。耳の皮という意味なんでしょう。沖縄以外ではなかなか買うことができない希少な部位。薄くスライスして刺身、炒め物、ポン酢あえにして食べます。
火を入れると、柔らかい「貝ひも」のような食感のミミガー。コリコリとした食感はポン酢あえがあう。島ネギをたっぷりと刻んで食べると美味しい部位です。
2、肩
首から肩にかけては、最も運動する部位なので、肉のキメはやや荒く、赤色が濃い部位です。筋膜や腱があるので、筋っぽい感じがしますが、取り除けば美味しく食べることができます。
肉はやや固めですが、風味もある部分なので、薄くスライスして焼肉、炒め物にしても美味しいです。塊のまま、汁や煮込みにすると筋も柔らかくなり、独特の旨味が出ます。
煮込むなら、なるべく脂肪ののったものがおすすめです。ビタミンB1も多い部位です。
クビジリ
肉質がやや硬いので、カレーや肉じゃがなどの煮込み料理に適している部位です。軽く煮込むと歯ごたえがある食感ですが、しっかり煮込むとトロッとした柔らかさになる部位です。
3、Bロース
沖縄では、ロースをAロース、Bロースと分けるのが特徴です。肩側のロースがBロース、尻側のロースがAロースです。Bロースの方が脂肪が多いのが特徴。
「Aロース」、「Bロース」ってのは、沖縄独特の呼び方です。Aロースがロースで、Bロースが肩ロース。肩ロースには、脂肪の筋が多く、ロースより濃い味が楽しめます。
いい肉を見わけるポイントは、こちらの記事を参考にしてみてください!
関連記事>>>公設市場で、いい豚肉を選ぶポイント、料理法、保存方法
肩ロース、ボージシ
脂肪があるので、コクのある美味しさが味わえます。かたまりをローストポークにしたり、ラフテーにして食べると美味しいです。万能部位で、値段も安いのが特徴。薄切りにしてしゃぶしゃぶもOK、ちょっと厚めに生姜焼きってのも豚の脂がジュワッと出てきて美味しいです!
4、腕の付け根
脂肪分が少なく、たんぱく質が多い部分です。赤身肉。一番色が濃い部分です。
グーヤヌジ
比較的タンパクな味わいですが、肉そのものの味が楽しめる人気に部位です。筋が多いので、そのまま焼くよりも、味噌汁などの煮込み料理にした方が美味しく味わえます。
豚の「お腹」の名前
5、Aロース
お尻側のロースをAロースと言います。柔らかく上質な部位。ロースは牛肉ならサーロイン、リブステーキにする最上の部位です。豚の場合も、肉質は柔らかく、ムチムチした決めの細かい部位。新鮮な肉は淡いピンク色をしていて、肉の表面にはみずみずしい光沢があります。
ボージシ
厚めに切ってポークソテーやトンカツに使うと美味しいです。脂肪があるのがロース肉の特徴なので、必要以上に脂肪を取り除かない方が脂の甘みが楽しめます。
6、ヒレ
豚肉全体の2%しかない希少部位です。脂肪分はロース肉の5分の1以下。コクや香りに欠けますが、淡白で上品な味わいです。カロリーも脂肪も少なく、反面、たんぱく質やビタミンB1を多く含んでいるので、成長期の子供や、お年寄り、成人病の気になる人にぴったりな部位です。
火を通しすぎるとパサパサになるので、厚めに切って一口ヒレカツにすると、油の旨味がさらに加わって美味しいです。
ウチナガニー
普通にヒレとも呼ばれますが、沖縄の方言では「ウチナガニー」と呼ばれる部分。希少部位なので、値段は高め。脂肪分が少なく、きめ細かな柔らかい肉が楽しめます。トンカツなど、油を使った料理に使うと、より美味しく感じます。
7、三枚肉
脂肪と赤身が層を作っている部位です。その層が3枚のシマシマに見えるので「三枚肉」と呼ばれています。豚肉のうち、一番脂肪が多い部分。肉のキメはやや荒いですが、風味とコクに富み、いろんな料理に応用できます。
ばら肉
あばらの近くにある部位の名前です。豚バラってのがこの部位。脂肪が多い部位なので、煮込み料理に使われることが多いです。
ソーキ
ばら肉の中でも骨のついた部位を沖縄では「ソーキ」と呼びます。本州でいうスペアリブの部位。ソーキの部分のうち、スペアリブのような硬い骨付を本ソーキ、軟骨のついた部分を軟骨ソーキと呼び、区別します。
本ソーキは脂身と赤身のバランスがよく、煮込むと、脂身は柔らかく、赤身は歯ごたえがあり噛めば噛むほど味がジィワッと出てくる部位です。軟骨ソーキはコラーゲンたっぷりでプルップルな食べ味。
甘辛く煮込んで細かく刻み八重山そばにトッピングしたりもします。
関連記事>>>沖縄そば、ソーキそば、八重山そばの違いは?
ハラガー
三枚肉の腹側(はらがわ)の部分をハラガーと呼びます。シャケなどの魚のはらがわも「ハラガー」と呼ぶ。豚肉のハラガーは皮のついた部分を三枚肉と呼び、煮込み料理などに使われます。皮のプリッとした食感が美味しい。油で焼くと皮をカリカリに仕上げることもできます。
沖縄では一番使われる部位で、豚肉の中で一番、脂肪の量が多い部位。焼いただけでも、たっぷりの脂が流れ出てきます。脂が苦手な人は、一度茹でて脂肪を落としてから使うといいです。
ベーコンやソーセージなどの加工品にも使われる部位です。
8、内臓
沖縄では豚の内臓も食べます。部位別に売っているお店もあるんですが、大概「ナカミ(中身)」と言ってごちゃ混ぜにして茹でられたものが多く買うことができます。
ナカミ
豚の中身なので、そのまま「ナカミ」という名前で売られています。中身汁(なかみじる)などの汁物にして煮込んで食べることが多い部位です。本州でいうホルモンの部分、クニクニした食感が美味しい部位です。
肝臓を「チム」と呼び、大腸は「ウフワタ」、小腸は「ビービーグヮー」、脂身(ラード)は「ウァーアンダ」、血液は「チー」と呼びます。
豚肉の血は「チーイリチー(血の炒め物)」などにも使われる食材です。
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豚の「お尻、足」の名前
9、外もも
筋肉の部分なので、やや筋が多く肉質は固めな部位。薄切りや千切りにして使うことが多いです。
フカムムジシ
筋が少し多いので、薄く切って野菜と一緒に炒めたり、すき焼きや生姜焼きなどに使ってもOK!
10、もも
他の部位に比べて肉の色が薄いのが特徴の部位です。脂肪が少なく肉のキメも細かい。肉質はやや赤みをおびています。外側に脂肪がありますが、肉そのものには脂肪が少なく、キメが細かく淡白な味わいです。柔らかい肉質を活かして、焼き豚やソテーなど、肉本来の味を楽しむ料理に向いている部位です。
脂肪分が少なく、ビタミンB1や、たんぱく質を多く含んでいるのでダイエットにも最適です。
チビジリ
「チビ」は沖縄の方言で尻。尻に近いモモ肉をチビジリと言います。酢豚に使うと美味しい部位です。
ナカジリ
ナカジリの「ナカ」は「内(なか)」なので、内もものことを言います。すき焼きやしゃぶしゃぶに使うと美味しい肉です。
11、足
豚足でおなじみの部位。長時間煮ることで、コラーゲンがゼラチン質に代わり柔らかく美味しくなります。カルシウムもとても豊富な部分で、お年寄りの滋養食とされてきました。前足と後ろ足がありますが、前足の方が活動的なので、脂肪が少ないです。
沖縄県内では人気の部位で、毎年約200万個のテビチが生産されていますが、それでも足りずに、本州からも輸入しています。沖縄県産のものと、本州産のものの見分け方は色。「沖縄のものは地黒で、色の白いのが本州産」と見分けることができます。豚の処理方法が違うので、色が違ってくるようです。
テビチ
テビチ汁でおなじみの部位です。沖縄では、よく食べられる部位で、しっかりと煮込まれて柔らかくしたものが有名。家庭では、煮られたテビチを買ってきて、焼いて食べることもあります。
煮たものに比べると、焼いたものは固めですが、コリっとしたコラーゲンの食感が美味しい料理です。酢醤油につけて食べると美味しいです。
寒くなってくると、沖縄おでんの具材にもなるテビチ。沖縄では家庭でもよく食べる部位です。
ヒサガー
足の部位の皮つきのものを「ヒサガー」と呼びます。足の付け根は「グーヌーヤジ」と呼ばれ、また別名になる。三枚肉もラフテーにするんですが、ヒサガーもラフテーにすると美味しい部分です。
12、足先
皮の内側にコラーゲンが多く、沖縄ではヒズメ付きで売られているものもあります。長時間煮ると、柔らかく美味しくなります。コラーゲン、ゼラチン質は体にもいいので、沖縄の長寿を支える大切な食材のひとつです。
チマグー
足の甲の部分をチマグーと言って「テビチ」の中に含まれて売られていることもあります。肉はほとんどなく、骨と皮の部位ですが、ゼラチン質が豊富で、煮込んで食べると美味しい部位です。
それじゃあ、楽しく旅してね!
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