沖縄の赤紙(アカカビ)とは、意味と込められた願い
こんにちは。石垣島ナビです。
沖縄では行事で色紙を使われることが多いです。旧正月などのお祝い事に使われるのが赤紙(アカカビ)です。スーパーなどで1セット30円ぐらいで売られています。
最初見た時は「なんで紙が売られているんだろう?」と疑問だったんですが、調べてみると、その理由が判明しました。
今回は「赤紙(アカカビ)」について紹介していきます。
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「赤紙(アカカビ)」
お祝い事に使われる色紙
「赤紙」と書いて<アカカビ>と呼びます。沖縄では催事に使われる道具の一つに「色紙」が使われます。法事や法要ではシルカビ(白紙)、ウチカビ(打紙)、ダンカビ(段紙)が使われ、お祝い事でアカカビ(赤紙)が使われます。
旧正月では火の神様(ひぬかみ)にするお供えものの下に敷く紙です。アカカビの上に鏡餅や炭、塩、みかんなどを置きお供えします。
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30円ぐらいで売られている
お祝いの行事前になると、スーパーなどで1セット30円ぐらいで買える色紙です。
売り場で見かけた時は、何に使うものかわかりませんでしたが、アカカビには様々な意味と願いが込められています。
「赤・黄・白」の3色
袋を開けてみると、赤い色の紙の他にも、黄色、白色の紙が入っています。アカカビは「赤・黄・白」の3色で1セットなことが多いです。沖縄の地方によっては「赤・白」の2色の場所もありますが、赤色は必ず入っているのが特徴です。
3色なのは諸説ありますが、「天・地・水」の森羅万象を表したとか、儒教思想に基づくものだと言われています。
中国では3という数字が神聖な数字とされ、年始などお祝いの場面で縁起がいいとして用いられています。沖縄でもその思想を受け継いで行事に取り入れられています。
色の解釈は様々です。一説には赤が「日の出」、黄色が「日の入(昼)」、白が「夜」を表していると言われていたり、また別の説では「赤」は血の色なので「健康」を意味し、「黄色」は黄金から「金銭」、「白」は清浄から「豊穣」を意味すると言われたりも。
実際には、おめでたい紅白(赤・白)と幸福(黄)が合わさって使われているというのが有力な説です。
お供え物に必要なアイテム
基本的には赤を一番上に置くのが一般的です。赤・黄・白の順番に置くのは、人の一生を表しているとも言われています。
赤が赤ちゃんを表し、白は白装束から終焉を意味する。赤→黄→白は「日の出(誕生)→日の入り(隆盛)→夜(終焉)」を意味するものとも解釈されています。
地域によっては幸運を意味する黄色を一番上に置く場所もあるので、一概には言えませんが、アカカビには人生や願いごとが「色」に込められています。
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まとめ
知らないと「なぜ売られているかわからない」ものですが、知ると沖縄が行事などの習慣を大切にし、伝統として守り引き継いでいることがよくわかる商品です。
正式な文献などが残されていないため、色の意味は後付けなのかもしれませんが、「健康」「豊穣」「お金」はいつの時代でも願うものなのだなということがわかります。
特に沖縄は土地柄、小さい島々に分かれている場所です。小さい島ではちょっとした天候不良で凶作になったり、雨が降らず水不足になったりすると、生命の危険に陥りやすい場所です。
大きい島ならともかく、小さい島では大きな川もないので、雨水を貯めて生活していた時代もありました。
そんな土地に住んでいる人々なので、自然物への崇拝は必然なのかもしれません。
現在「御嶽(うたき)」と呼ばれるお社には自然物(霊石など)が祀られていることが多く、自然への崇拝、畏敬の念が強いのが沖縄の信仰の特徴です。
昔から台風の通り道だった沖縄。現在では「科学」という技術によって天気予報も発達、水道も整備され、生命が脅かされるほどの危機は少なくなりましたが、昔は「自然が怒った」と考えても仕方がないような気象条件の土地です。
自然へ寄り添う心、いたわりの心、恐怖する心は経験・体験から生まれてきたのでしょう。
願うのは、子孫繁栄や五穀豊穣の「平和」。いつの時代も沖縄の人は「平和」を願い、望む歴史だったってのが<アカカビ(赤紙)>からもうかがい知ることができます。
それじゃあ、楽しく旅してね!
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