ムーチー(鬼餅)は、香りが甘いお菓子
こんにちは。石垣島ナビです。
「ムーチーってなに?」
「テレビで<ムーチーの日>ってやってたんだけど、あれは何?」って、思いませんか?
沖縄を旅行していると、よく耳にする言葉「ムーチー」。
知っているのと、知らないのでは、沖縄旅行の楽しみ方も変わってきます。
本記事を読むと、「沖縄のムーチー」について詳しく知ることができます。
石垣島在住のガイドが、自分の足で実際に行って、見て、確かめた現地の生の情報。
ムーチーのことを知って、石垣島に旅行に行った時に、一度、食べてみてください!
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目次
ムーチー(鬼餅)は、香りが甘いお菓子
沖縄を旅行していると「ムーチー」という葉っぱ状のものが売店で売られていることがよくあります。
初めて見る人は、「なんだ、これ?」って思っちゃう商品。
月桃やクバの葉に包んで蒸したお餅のことを、沖縄では「ムーチー(鬼餅)」と言います。
旧暦の12月8日に邪鬼払いの行事で食べられるお餅で、沖縄では縁起のいい食べ物として、古くから食べられている伝統菓子です。
ムーチーって何?
「ムーチー」は沖縄の方言で「餅(もち)」が訛ってできた言葉だと考えられています。
「餅→もち→むち→ムーチー」と訛っていったのでしょう。
沖縄の方言は「お(o)」を「う(u)」と発音するので、「も(mo)」も「む(mu)」になります。
関連記事>>>【沖縄方言の聞き取り方】昔の沖縄には「え」と「お」が無かった!
沖縄では、特に月桃やクバの葉で包んで蒸したお餅を「ムーチー(鬼餅)」と呼んでいます。
月桃の葉で包まれているものは、月桃の葉の甘い香りが餅に移って、甘く、美味しそうな香りがするのが特徴です。
月桃の葉には抗菌作用もあるので、餅を悪くさせないっていう効果もあります。
関連記事>>>月桃(ゲットウ)とは?
ムーチーの作り方
具体的には、もち米を水に浸けてから、石臼で挽きます。
挽いた液状のもち米を布でくるみ、重石を乗せて水分をとる。
一晩置いてから、餅を伸ばし、月桃の葉に包んで蒸し上げて作ります。
日本で作る餅とは違い、もち米を餅つきをして作るわけではないので、粘りはなく、さっぱりとした味が特徴です。
中にサツマイモの餡を包んだり、するものもあります。「ういろう」のような食感の食べ物。
ムーチーについている色は「紅芋」を練りこめば紫に、「黒糖」を練りこめば茶色っぽくなります。
何も練りこまない「白餅」も売られていますが、基本的には、何かしらの食材が練りこまれています。
ムーチーの由来
ムーチーには、<昔、鬼が出て、鬼を退治させるために釘入りのムーチーを食べさせて懲らしめた>という昔話が伝えられています。
それ以降、「ムーチー」は鬼を払う効果があると伝えられており、鬼払いの行事で食べられるようになりました。
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ムーチーの日
旧暦の12月8日(新暦では1月上旬)は「ムーチーの日」という名前が付けられています。
沖縄ではこの日に邪鬼を払う行事が行われます。
ムーチーの行事では「家族の息災」「健康」「スクスクとした成長」を祈る日です。
具体的には、「ムーチー」を、神棚や火の神(かまどの神様)にお供えします。
子供がいる家庭では、大きいムーチー「力餅(ちからむーちー)」を子供の歳の数だけ縄に結び、天井から吊るして健康を祈願したりもします。
年内に生まれた子供がいる家では、「初鬼餅(はつむーちー)」といい、「ムーチー」を親戚や近所の人に配って歩く習慣もあります。
これは、縁起担ぎの習慣として現在でも残っています。
ムーチーユーレー(鬼餅寄り合い)
昔、あった習慣で「ムーチーユーレー」というものもありました。
「ムーチーユーレー」とは、ムーチーの日に7歳〜15歳までの男の子を集めて、即席で作った簡易的な「ムーチー小屋」で遊ばせるという行事です。
年上の子をリーダーとして、1日中集団生活をさせて、相撲なんかをとって遊ぶ。
夕方になると大人たちが迎えにきて、「ホーハイ、ホーハイ(火事だ、火事だの意味)」と叫びながら小屋を焼くという行事です。
小屋を焼くことによって厄落としの意味合いもあったのでしょう。
1940年頃まで続けられていた行事ですが、現在では無くなってしまった習慣です。
ムーチーびいさ(鬼餅冷え)
ムーチーの日の前後によく聞く言葉が「ムーチーびいさ」です。
「びいさ」とは沖縄の方言で「冷え」のこと。
旧暦の12月8日前後は、急に冷え込むことが多いです。
「ムーチーを食べる頃は寒い」というのを方言で「ムーチーびいさ」と言います。
石垣島では、気温が20度を下回ると、寒さを感じるようになります。
「ムーチーびいさ」の頃は気温が10度を下回ることもあり、みんな、「ムーチービーサーさね!」とか「ムーチービーサー、嫌だね…」と口々に話し合ってます。
暖冬には「ムーチービーサーはどこ行った!?」って話にもなったり。
新暦の正月頃に、沖縄を旅行するときは急な冷え「ムーチービーサー」に気をつけましょう!
関連記事>>>「ムーチービーサー」ってどういう意味?<沖縄で一番寒くなる時期>
ムーチーが売っている場所
ムーチーは「ムーチーの日」以外でも、沖縄のスーパー、商店、売店で買うことができます。
「ムーチーの日」前後は特に山積みになっているほど、人気の商品です。
昔は、各家庭で作られていた「ムーチー」ですが、最近は、スーパーで買うことが多くなりました。
簡易的にビニールに包んで売られており、「紅芋」「黒糖」「かぼちゃ」など、それぞれ練りこんであるフレーバーの表示がしてあります。
1個120円前後で売られているので、おやつにもピッタリな食べ物です。
月桃の葉で包んであるものは、葉っぱの香りも甘くていい香りなので、香りと一緒に楽しんでください!
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それじゃあ、楽しく旅してね!
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